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【世界最速?現地レポート】Oracle AI World 2026 Day2 ― Fusion Claw の仕組みと、データベースが支える「信頼できる AI」

みなさん、こんにちは!FREEDIA の金本です。

Oracle AI World 2026 の現地レポート、第 2 弾です。第 1 弾では、ラスベガスまでの移動と Day1 のPartner Success Summitなどをお届けしました。

👉 https://freedia-inc.jp/oaw-20261025/

Day2 は、いよいよ本格的なセッションが始まった日です。朝の会場の様子から、キーノート、Fusion と AI のスポットライト、そしてデータベースのセッションまで、駆け足でまとめました。

Day2 の朝: 全身オラクルで出発

Day2 の朝は、オラクルのリュックを背負って、オラクルの上着を着て出発です。気づけば全身オラクルになっていました。

参加者は、会場で無料の朝ごはんを食べられます。「Attendee Meals」の看板をくぐると、その先は柱がずっと奥まで続く巨大な食堂。広すぎて、向こう側が見えません。

ビュッフェには、スモークサーモン、ベーグル、ターキー、ソーセージ、キューバ風スクランブルエッグ、チポトレ風味のブラックビーンズなどが並びます。欲張って盛ったら、しっかりアメリカンな朝ごはんになりました。特にスモークサーモンとベーグルの組み合わせが美味しかったです。あ、カフェはスタバで買いました(笑)

キーノート: 始まる前から熱気がすごい

朝ごはんのあとはキーノートへ。「Keynote」「The Hub」の看板の下は、Hall C に向かう人でぎっしりでした。

会場に入ると、ステージではバンドの生演奏と DJ がお出迎え。まだ始まってもいないのに、すでにライブ会場のような盛り上がりです。

AI は「仕事の現場」で、「その会社の文脈」で動く

キーノートに登壇したのは、Oracle の CEO、Mike Sicilia 氏です。繰り返し示されたのは、AI をどこで、どう動かすかという話でした。

1 つ目は「In the context of your business」。AI は、その会社のポリシー、ワークフロー、ルール、取引先や商品といった業務のデータ(Business entities)、そしてそれらの関係(Relationships)を理解したうえで動く、というメッセージです。

2 つ目は「In the place where work is done」。スライドには、レジ、倉庫と物流、病院、店舗、風力発電、建設現場のアイコンが並んでいました。AI は、実際に仕事が行われている現場で動く、というメッセージです。

お客様になりきったデモが次々と

このキーノートで面白かったのは、登壇者がお客様の立場になりきって、業種ごとのデモを見せていたことです。ステージの背景が、倉庫、店舗、病院と場面ごとに切り替わり、そこで AI がどう働くかを実演していきます。

物流・倉庫
最初は倉庫が舞台。登壇者 2 人が安全ベストを着て、ロボットアームが動く物流倉庫の担当者になりきり、デモを進めていきました。

通信: Spectrum
米国の通信・ケーブルテレビ大手 Spectrum の方も登壇し、対談形式で取り組みが紹介されました。

飲食: Burger King
次はファストフード店の厨房が舞台です。QSRP と Burger King の方がステージに上がり、店舗のデモと対談が行われました。

デモでは、デリバリーで「袋が破れていた」というクレームを AI が扱う場面が示されました。AI は、お店側で撮った写真とお客様から届いた写真を並べて確かめ、クレームを承認します。店舗、デリバリーの会社、問題の内容がひとつの画面にまとまっていて、担当者がすぐに判断できるようになっていました。

医療: 救急搬送
圧巻だったのは医療のデモです。舞台は病院の救急外来。白衣の医師役の登壇者が、救急車から送られてくる患者の情報を受け取る場面が実演されました。

画面には、救急車の中の映像、搬送の状況、ケアの要約、救急隊の活動記録が並びます。最初は「モニターが未接続」でバイタルが出ていませんでしたが、救急車でモニターがつながると、心拍、血中酸素、血圧、呼吸数がリアルタイムで表示されました。

そして驚いたのが、ORACLE のロゴが入った本物の救急車が、会場の中に入ってきたことです。ステージの演出とはいえ、スケールの大きさに思わず笑ってしまいました。

金本の所感

スライドの説明だけでなく、登壇者が倉庫や店舗の担当者、病院の医師になりきってデモを見せたことで、「AI が現場でどう働くか」がとても具体的に伝わってきました。

特に印象に残ったのは、どのデモも、AI がその会社の業務のルールとデータの上で動いていたことです。Burger King のクレームのデモでは、写真を見比べてクレームを承認するまでの判断に、お店のルールと取引のデータが使われているように見えました。キーノートの「In the context of your business」が、そのままデモで示されていたのだと思います。

ERP は、まさにこの「業務のルールとデータ」を持っているシステムです。AI が現場で正しく動けるかどうかは、その土台となる ERP の中身がきちんと整っているかにかかっています。導入を支援する立場として、改めて身の引き締まる思いがしました。

Fusion と AI のスポットライト: Fusion Claw の中身が見えてきた

続いては、Fusion と AI のスポットライトのセッションです。会場でもらった Fusion Claw のぬいぐるみと、Oracle の豊澤さんと一緒に参加しました。Claw くんは客席の背もたれにちょこんと座って、開演を待ってくれました。

登壇したのは、Oracle で Applications と AI の開発を率いる Chris Leone 氏(EVP, Development, Oracle Applications and AI)。テーマは「Fusion の AI は、仕事を手伝う段階から、仕事をする段階へ」です。Day1 で発表された Fusion Claw について、仕組みがかなり詳しく語られました。

AI の進化は 5 段階

ユーザーを手伝う組み込み AI → 1 つの作業をこなす AI エージェント → 専門エージェントのチーム → 業務の流れを自動化するワークフローエージェント → そして、成果に向かって動くエージェントアプリへ。

Fusion のデータや承認ルールはそのまま「正」として残り、その上に成果を出すための仕組みが乗る構成です。

AI が計画し、Fusion が実行する

Fusion Claw は、3 つの段階で仕事を進めます。AI が状況を分析して計画を立て、Fusion が照合・シミュレーション・最適化などの計算を確実に行い、決められた権限の範囲で実行します。

すべてを任せる「Full Auto」と、実行前に根拠をそろえて人の確認を待つ「Research Mode」を選べます。

いつも動き続ける

状況が変われば、Fusion Claw が計画を組み直します。たとえば、需要が変われば生産計画を見直し、資金が厳しくなれば回収を早め、社員が休めばシフトの変更を提案する、といった具合です。

ルールを決めるのは会社

社内手順・ポリシー・権限・承認ルールの「枠」(Enterprise Operating Envelope)を会社が決め、その枠の中で AI が動きます。実行後には、何を・いつ・なぜ行ったかを残す「Outcome Receipt」が作られます。

Fusion の外ともつながる

Fusion Companion は、ほかのクラウドアプリ、社内の文書やデータ基盤、他社の AI エージェントともつながります。それでも実行は Fusion の統制の下で行われます。

Fusion Claw で動くアプリが 25 個

人事・サプライチェーン・営業・財務の業務向けに、Fusion Claw で動くエージェントアプリが 25 個発表されました。財務では、決算の照合と締めを早く、ミスを少なくすることを狙っています。

金本の所感

このセッションでいちばん印象に残ったのは、「AI に任せる」のに「統制は強くなる」という考え方です。

ERP の導入をお手伝いしていると、「AI に任せたいけれど、勝手に動かれるのは困る」という声をよく伺います。Fusion Claw は、計画は AI、計算と実行は Fusion、ルールの枠は会社、と役割をはっきり分けています。さらに、実行のたびに「何を・いつ・なぜ」が Outcome Receipt として残ります。承認の手順や監査を大事にする日本の会社にとって、ここは安心材料になるはずです。

「Full Auto」と「Research Mode」を選べるのも現実的だと感じました。最初は Research Mode で AI の提案を人が確かめ、慣れてきた業務から Full Auto に広げていく。そんな段階的な使い方ができそうです。

パートナーとしては、お客様ごとの「枠」、つまり権限や承認のルールをどう決めるかを一緒に考えることが、これからの導入の大事な仕事になっていくと思います。

データベースのセッション: 「信頼できる AI」は土台から

Day2 にもう 1 つ参加したのが、データベースのセッションです。登壇は Oracle の Juan Loaiza 氏(EVP, Oracle Database Technologies)。Oracle Database の技術を長く率いてきた方です。

AI は、ビジネスのあらゆるところに入り込んでいる

最初のメッセージは「AI is becoming part of everything we do in business today」。AI はもう特別なものではなく、ビジネスのあらゆる場面の一部になりつつある、という話から始まりました。

信頼できる AI には、4 つの層をまとめて設計し直す必要がある

企業が安心して使える AI をつくるには、AI だけでなく、その下にある層までまとめて設計し直し、AI のリスクを減らす必要がある、という主張です。挙げられた層は次の 4 つでした。

  • App Dev(アプリケーション開発)
  • Data Access(データへのアクセス)
  • Data(データ)
  • Software Platform(ソフトウェアの基盤)

Oracle の Deep Trust AI Architecture

そのための Oracle の答えが「Deep Trust AI Architecture」です。信頼の仕組みを、AI の外側に後付けするのではなく、下の層の奥深くに組み込む、という考え方です。

目指すのは、AI による生産性の向上や新しい取り組みを、より速く、より少ないリスクで進めること。スライドには「It is like MAA for AI」と書かれていました。MAA(Maximum Availability Architecture)は、Oracle がデータベースの可用性を高めるために示してきた設計の指針です。その AI 版、という位置づけなのだと受け止めました。

共同運用・オンプレミスのデータベースのセキュリティも強化

お客様と Oracle が運用を分担するシステム(co-managed)や、オンプレミスのシステムのセキュリティを強化する話もありました。分野は 3 つです。

  • パッチ適用: Database Lifecycle、Exadata Management Packs、GoldenGate と Veridata
  • テスト: Real Application Testing
  • 構成管理: Data Safe と Database Security Central

金本の所感

Fusion のセッションと Database のセッションを続けて聞いて、2 つが同じ方向を向いていると感じました。Fusion は業務のルールと承認の「枠」で AI を動かし、Database はその下の層に信頼の仕組みを組み込む。アプリケーションと土台の両方から「任せても大丈夫な AI」をつくろうとしているのが、Oracle の強みなのだと思います。

セッションでは、AI に業務の言葉の意味を教える「Business Topics」の話もありました。営業マネージャーが「今四半期の、アジアのトップ顧客は?」と聞いたとき、「アジア」が「日本を除くアジア」を指す、といった例です。これは ERP の導入の現場そのものです。「売上」は税込か税抜か、「今期」は 4 月始まりか 1 月始まりか、「関東」にはどこまで入るのか。こうした会社ごとの言葉の定義は、ERP の導入でも要件定義のときにいちばん時間をかけてそろえるところです。AI の時代になっても、いや、AI の時代だからこそ、業務の言葉を正しく定義する仕事の価値は上がっていくと感じました。

共同運用・オンプレミスのセキュリティの話も、日本のお客様には関係が深いと思います。すぐにクラウドへ移れない事情を抱えた会社も多いので、今あるシステムを守る手段が用意されているのは心強いです。対象や条件の詳しいところは、改めて確認してお伝えします。

ちょっと一息: DB ちゃんと Fusion Claw くんの共演

最後に、ちょっと和む話を。西尾さんの DB ちゃんと、私の Fusion Claw くんが並びました。データベースの形をした DB ちゃんと、赤くて丸い Claw くん。ゆるい笑顔はおそろいで、並べると兄弟みたいです。

せっかくなので、2 人(?)をステージの前に並べて記念撮影。データベースとアプリケーション、Oracle の両輪がぬいぐるみでもそろいました。この日聞いた 2 つのセッションとも重なって、なんだか象徴的な 1 枚になりました。

まとめとハイライト動画

Day2 は、キーノート、Fusion、データベースのそれぞれから、Oracle が「信頼して任せられる AI」をどうつくろうとしているかが見えた 1 日でした。

  • キーノート: AI は「その会社の文脈」で、「仕事の現場」で動く。倉庫、店舗、病院のデモで具体的に示された
  • Fusion: AI が計画し、Fusion が実行し、会社が決めた枠の中で動く。実行の記録も残る
  • Database: 信頼の仕組みを、アプリ・データアクセス・データ・基盤の各層の奥に組み込む
  • いずれも、会社ごとのルールや言葉の定義が、AI を正しく動かす前提になる

ERP の導入支援をしている FREEDIA としては、お客様の業務のルールと言葉を正しく定義する力が、これまで以上に大事になると感じています。

Oracle AI World は 28 日まで続きます。引き続き現地からレポートしていきます。

ハイライト動画

Day2 の現地の様子を、約 2 分の動画にまとめました。

朝ごはんから、お客様になりきったデモが続いたキーノート、Fusion と AI のスポットライト、データベースのセッション、そして DB ちゃんと Fusion Claw くんの共演までを、写真でたどれます。現地の雰囲気を感じていただければうれしいです。

FREEDIA の OCI の取り組み: OCI Manager(仮)

今回紹介した Fusion や Oracle Database の AI は、OCI(Oracle Cloud Infrastructure)の上で動いています。FREEDIA は ERP だけでなく、OCI の構築・運用も得意としています。

その取り組みの 1 つが、社内で開発中の OCI の統合管理ツール「OCI Manager(仮)」です。

  • 複数のテナンシにまたがるリソース、稼働状況、クレジットの消費を、一度のログインでまとめて確認できる
  • 秘密鍵や API キーなどの認証情報を暗号化して保管し、有効期限も管理できる
  • 画面で値を入力するだけで Terraform のファイルを生成し、plan の確認から apply まで実行できる

テナントごとにログインし直す手間や、Terraform のファイルを手で書く負担といった、インフラ担当者が日々困っていることを解消するために作っています。開発には、当社独自の AI ドリブン開発のメソッド「FEARIDE」を使いました。詳しくは、担当者が書いたこちらの記事をご覧ください。

👉 https://freedia-inc.jp/oci-manager-planning/

FREEDIA は、Oracle の ERP と OCI の導入・運用を支援しています。OCI の構築や運用の効率化、AI の活用についてお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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